認知症の親を東京の老人ホームへ入居させた上司

October 31, 2011, 05:01

昔働いていた職場での話です。当時の上司が、疲れた顔を見せることが多くなって心配し、雑談の中で尋ねてみると、彼女のお父様の認知症が進んできたために、一緒に生活するのが大変になってきたとの話をされました。東京の老人ホームへ入居させようと計画し、話を進めているとのこと。ただ、本人が東京の老人ホームへ入れられることを、家族に見捨てられた、と感じているらしく、それが不憫で申し訳ないと言いました。東京の老人ホームに入居させるのはよい選択でしょうが、お父様の気持ちもわかるような気がしました。


いつまでも家族で仲良く生活が出来るのが、やはり一番幸せという感覚は誰にでもあるでしょう。年齢を重ねて行くと、なおのこと強く感じるのかもしれません。しかし、実際に認知症の老人と生活するのは大変なことと思います。絶えず気配りをし、彼らの行動を管理することはとても難しいでしょう。自分の親が子供のように振る舞い、少しずつ会話が成立しなくなることは耐えがたくつらい経験だと思います。肉体的にも精神的にも疲れてしまうのは当たり前ですよね。


上司は、なるべく東京の老人ホームの中でも自分が通いやすく、まめに顔を出せるところを選ぶつもりだと言っていました。そして数ヵ月後、お父様を東京の老人ホームへ入居させたそうです。彼女がみるみる元気を取り戻したのを見て、やはり負担が大きかったことを悟りました。そんな上司も今年で定年を迎え、先日ごあいさつのはがきが届きました。「私もそろそろ東京の老人ホームに入るのがよさそうです」と、冗談まじりの言葉が添えられた文面を見て、その時のことを懐かしく思い出していました。